2012年10月4日木曜日

地下鉄とか京王線連続立体交差事業のトンネルのお話

京王線の調布駅付近が地下化してから約1ヶ月たった9月15日,電車に乗っているとある男性が隣にいた女性と話している声が聞こえた.

「日本の地下鉄のトンネルは四角いでしょ.ヨーロッパとか外国の地下鉄は丸いのが多いんだよ.調布駅付近が四角いトンネルなのは日本独特なんダヨ」

そんなわけなかろうと思った.もちろん違う.調布駅・国領駅付近は浅いのと,上部がもともと駅構造であるから,開削工法(上から掘ってあとで上部だけ埋め戻すトンネル工法)を行なっても問題なかった.



ちなみに言うと,丸ノ内線も開削工法だが,これは浅いのが主な要因だが,開削工法は上から掘るので地上の交通網に何かしらの影響を与える.おそらく,丸ノ内線の場合には時代的にまだ開削を行なっても問題なかったとも考えられる.開削工法が主流な丸ノ内線だが,霞が関から赤坂見附の約230mの区間は半円形のシールド工法を用いて掘られている.もちろん深いからだ.地下鉄では一番深言われる都営大江戸線はもちろんシールド工法だ.

さて,京王線に話を戻すと,調布,国領駅は開削工法を用いた駅構造になっている.しかし,京王多摩川-調布と西調布-調布,調布-布田-国領の各区間はシールド工法を用いた構造になっており,布田駅はシールド工法をそのまま維持して駅を作った.



開削工法を用いたトンネルはそのトンネルの真上をすべて掘らなければならなく,余計にコストがかかるからだろうと思われる(と思ったが,開削工法は工期が短くかつ安いという利点があるらしい.つぎの意見のほうがもっともらしく思える).また,工期中もずっとトンネルの真上では営業列車が走っているので開削を行なうことで増加する事故のリスクは無視できない(作業員が本線上にたまたま出てしまった等).開削を行うことで事故はないにしても営業列車に対する多少の影響はあるだろう.



最後に,開削工法が日本独特のものでない例をひとつ出しておこう.
<弘の手紙30>~ニューヨーク交通博物館へ~: <弘>の手紙
"ニューヨークの地下鉄は開削工法を取っている。これは道路の地表から縦穴を掘り,中にコンクリートや鉄骨で箱を作り,埋め戻して完成させるものである。工事中は地上の道路使用を制限しなければならない、という欠点を持つが、複々線化や、階層化が容易であるし、トンネル方式に比べれば費用も安く済むらしい。その上複々線化や階層化を実現できれば、前述したように同じ路線に各駅停車と急行を走らせることも可能であるし、同じ路線でも途中から行き先を変えるという事も比較的容易である。反面、路線が複雑になり、わかりにくくなる傾向がある。"

適当な文に付き合ってくれて感謝.

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